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寡占的成長

 

よみ方

かせんてきせいちょう

英 語

oligarchic growth

説 明

微惑星が衝突合体を繰り返して惑星が形成される惑星集積過程において、複数の原始惑星が同じような質量増加率で大きくなること。暴走的成長の結果形成された原始惑星の質量が大きくなってくると、原始惑星近傍の微惑星は原始惑星による重力散乱を強く受けるようになり、原始惑星に近づく際の相対速度が大きくなる。原始惑星が重力によって遠方の微惑星を引き寄せる効果は原始惑星の質量が大きいほど、また微惑星と原始惑星の相対速度が小さいほど大きい。したがって上のように原始惑星と微惑星の相対速度が大きくなると重力によって微惑星を引き寄せる効果が弱まるため、それまで原始惑星の質量増加とともに急激に増大していた原始惑星の成長(暴走的成長)が鈍る。その結果、その原始惑星の重力散乱の影響を受けない別の場所で形成された原始惑星の成長が追いついてくるということが次々と起こり、質量の似た原始惑星が複数形成される。このような成長様式が寡占的成長(または寡占成長)である。寡占的成長の段階に形成される原始惑星も、自分の周囲の微惑星に対しては暴走的成長をしている。

2018年06月19日更新

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    重力多体シミュレーションによる寡占的成長の様子(小久保英一郎氏による)。
    *渡邊誠一郎「地球型惑星の形成」、シリーズ現代の天文学第9巻、渡部・井田・佐々木編『太陽系と惑星』6.3節 図6.8 (日本評論社)