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オストライカー

 

よみ方

おすとらいかー

英 語

Ostriker, Jeremiah "Jerry" Paul

説 明

ジェレミア(ジェリー)・ポール・オストライカー(Jeremiah "Jerry" Paul Ostriker; 1937-2025)はアメリカの宇宙物理学者である。

ニューヨークのマンハッタンで生まれ、ハーバード大学で物理学と化学の学士号を取得し、在学中の1958年に妻のアリシアと結婚、1964年にシカゴ大学で天体物理学の博士号を得た。その後イギリスのケンブリッジ大学で研究員を務め、1965年にプリンストン大学の教員となり1971年に教授となった。1979年から1995年までは宇宙物理学科の学科長兼プリンストン大学天文台長、1995年から2001年までは副学長を歴任した。2001年から2003年までケンブリッジ大学のプルミアン教授職を務めた。2005年にプリンストン大学に戻り、プリンストン計算科学工学研究所(PICSciE)の所長を務めた。2012年にプリンストン大学名誉教授となり、同年から2017年まではコロンビア大学教授を務めた。

オストライカーは1970年代初頭から多くの若手研究者を指導育成し、宇宙物理学と宇宙論の幅広い分野で重要な貢献を果たした。特に1973年にピーブルズ(P.J.E. Peebles)と共著で出版した、渦巻銀河の力学的安定性に関するコンピュータシミュレーションの論文は、銀河ダークマターの巨大なハローの中にあることを最初に提唱したものとして有名である。さらに1974年にはヤヒール(A. Yahil)も加えた論文で、銀河のダークマターハローは通常の物質(バリオン)の10倍以上の質量をもつことを示し、宇宙の物質密度の新たな推定値を求めた。

また彼は、恒星からの電離放射や超新星爆発によって注入されるエネルギーにより、星間物質にさまざまな相ができ、その中で星生成が起きる物理過程を明らかにした。この研究は銀河間物質の研究にも広がり銀河形成過程の理解にも貢献した。とりわけスーパーコンピュータを用いた宇宙論的流体シミュレーションによる研究は、宇宙のミッシングバリオン問題の解決に向けて大きな影響を与えた。超新星爆発の衝撃波による宇宙線衝撃波加速についても研究した。1995年にはシュタインハート(P.J. Steinhardt)とともに、現在の宇宙の標準モデルであるΛCDMモデルの原型ともいえる調和モデル(Concordance Model)を提唱した。新世代の銀河サーベイの端緒となったスローンデジタルスカイサーベイ(SDSS)でオストライカーは、多くの国々の天文学者たちの国際協力体制の構築において重要な役割を果たした。

1980年にアメリカ天文学会ヘンリー・ノリス・ラッセル講師職、2000年にアメリカ国家科学賞、2004年にイギリス王立天文学会ゴールドメダル、2011年にブルースメダルなど数多くの賞を受賞している。2025年4月、ニューヨーク・マンハッタンのアッパー・ウエスト・サイドの自宅で死去。87歳。

プリンストン大学の追悼記事
https://www.princeton.edu/news/2025/04/14/astrophysicist-jeremiah-p-ostriker-pioneer-modern-cosmology-and-source-inspiration

2025年08月02日更新

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    ジェリー・オストライカー
    https://www.princeton.edu/news/2025/04/14/astrophysicist-jeremiah-p-ostriker-pioneer-modern-cosmology-and-source-inspiration