宇宙の大規模構造
よみ方
うちゅうのだいきぼこうぞう
英 語
large-scale structure of the universe
説 明
宇宙空間における銀河の分布には特徴的な疎密が見られる。大部分の銀河は、銀河団及び銀河団をつなぐフィラメント状構造に属しており、このフィラメントに囲まれるようにしてボイドと呼ばれる低密度の領域が存在する。銀河団とそれらをつなぐフィラメント状構造およびボイドが織りなす構造のことを宇宙の大規模構造という。
宇宙の大規模構造は、せっけんの泡がくっつきあっている様子に似ていることから泡構造とも呼ばれる。一つの泡(ボイド)の大きさは数10メガパーセク(数10 Mpc=1億光年)にも及ぶ。フィラメントでつながれた銀河群、銀河団などは更に大きな超銀河団を構成する。
大規模構造は、宇宙の誕生時に存在した微小な量子ゆらぎが、インフレーションによって空間的に何十桁も拡大し、その後の時間経過と共に大規模構造に成長していったと考えられている。なおインフレーション後にあった物質分布の揺らぎのみでは大規模構造はできず、冷たいダークマターの存在が大規模構造形成に大きな働きをした。局所超銀河団、ラニアケア超銀河団、インフレーション理論、2MASSも参照。
宇宙の大規模構造形成のシミュレーション。ダークマターハローの形成・進化(Ⅲ. 網目構造・ボイド構造の形成)」[クレジット] シミュレーション:石山智明 可視化:中山弘敬 国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト
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2024年04月08日更新
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