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ラグランジュ法

 

よみ方

らぐらんじゅほう

英 語

Lagrange method

説 明

流れに沿って移動する流体の部分(素片)に固定した空間座標(ラグランジュ座標)を用いて、流体力学を表現する方法。
空間に固定した空間座標(オイラー座標)を用いるオイラー法とともに流体力学を表現する2つの方法のうちの一つ。初期(t=0)に位置\boldsymbol{x}_0にあった流体素片の時刻tでの位置を\boldsymbol{x}と記すと、その運動はニュートンの運動方程式で決まる。
体積あたりの圧力による力-\nabla pのみが流体に働いている場合を考えれば、ニュートンの運動方程式は
\rho(\boldsymbol{x},t) \frac{d \boldsymbol{u}(\boldsymbol{x}_0,t)}{d t}=-\nabla p(\boldsymbol{x},t)
のように表せる(ここで\rhoは質量密度、\boldsymbol{u}は速度を表す)。
初期(t=0)に位置\boldsymbol{x}_0にあった流体素片の運動は
\frac{d \boldsymbol{x}(\boldsymbol{x}_0,t)}{dt}=\boldsymbol{u}(\boldsymbol{x}_0,t)
によってきまり、以上から流体の流れが記述される。
ラグランジュ法の時間微分は、オイラー法による記述 \partial/\partial t と区別するため、通常 D/Dt もしくは d/dt と書かれる。このラグランジュ法による記述にもとづく数値計算法もラグランジュ法と呼ばれる。

2018年04月23日更新

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