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カセグレン焦点

 

よみ方

かせぐれんしょうてん

英 語

Cassegrain focus

説 明

反射望遠鏡において、凹面の主鏡および凸面の副鏡を用いて主鏡の後ろ側(裏側)に結ばれる焦点のこと。カセグレン焦点の合成焦点距離は、一般に、主鏡の焦点距離の数倍から10倍程度となっている。主鏡、副鏡の二枚鏡で収差補正がなされるため、収差補正光学系を挿入しなくても比較的広い視野がとれる。放物面主鏡と双曲面副鏡を組み合わせたものを古典的カセグレン焦点(クラシカルカセグレ焦点ともいう)。古典的カセグレン焦点では球面収差はなく、視野を制限する最も大きな収差はコマ収差である。これに対して、球面収差とコマ収差の両方を打ち消すように、主鏡、副鏡ともに双曲面に近いが僅かに非球面項を入れた光学系による焦点をリッチー-クレチアン焦点(リッチー-クレチアン望遠鏡を参照)という。
カセグレン焦点(およびリッチー-クレチアン焦点)は、焦点に人が接近しやすく、望遠鏡重心に近く安定しており、多様な観測装置を装着することができる。このため、最もよく使用される焦点となっている。たとえば、すばる望遠鏡では、ロボット台車 CIAXを用いて、目的に応じて装置交換を行っている。カセグレン焦点の合成口径比(F比)は通常F/8-F/15であり、低分散分光や比較的高空間分解能の撮像観測に適している。また、斜め反射を用いないので、偏光観測にも適している。焦点(望遠鏡の)も参照。


縁の下の力持ち、観測装置交換用のロボット台車 CIAX

https://youtu.be/4q1HTegHoCQ

2021年02月11日更新

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    *さまざまな望遠鏡焦点とその光学系配置
    吉田道利「地上望遠鏡」、シリーズ現代の天文学第15巻、家・岩室・舞原・水本・吉田編『宇宙の観測I』第2版 5.1節 図5.1 (日本評論社)

    すばる望遠鏡の各焦点。
    (国立天文台)