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エディントン近似

 

よみ方

えでぃんとんきんじ

英 語

Eddington approximation

説 明

恒星大気の放射場を等方的と扱う近似。光学的に十分厚い大気の内部では放射場はほぼ等方的と考えてよく、放射輸送方程式の扱いが簡単になり(拡散近似)、放射場のモーメント J, K のあいだに簡単な関係が成り立つ(K = (1/3)J)。ここで J は光の強度 I を全方向に平均した平均強度、K I に大気の法線との角度 θ の余弦 cos θ を2回掛けて平均したもので放射圧に関係する。光学的に薄い大気表面でもこの関係が成り立つと仮定することをエディントン近似と呼び、これにより放射輸送方程式の解が容易に得られるようになる。実際には大気表面近くではこの近似は悪くなるが、K = fJ と形式的におき、f=1/3 という仮定から始めて放射輸送方程式を解き、新たに求められた f を用いて放射輸送方程式を解くという作業の繰り返しで解の収束を得るという手法(変動エディントン因子法)は有効である。恒星大気モデルも参照。

2023年04月18日更新

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