バーデ
よみ方
ばーで
英 語
Baade, Walter
説 明
バーデ(Walter Baade;1893-1960)はドイツ生れのアメリカの天文学者。星に2種類の種族があることを発見した。ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州、シュレッティングハウゼン生まれ。ゲッチンゲン大学で学び、ハンブルク天文台の助手となり、1931年に渡米してウィルソン山天文台員となり、ハンブルグ天文台のシュミットカメラをアメリカに伝えた。
第2次世界大戦中に、アンドロメダ銀河の中心部や矮小楕円銀河が赤色写真で星に分解されることを見いだした。この新知見はウィルソン山天文台の100インチ望遠鏡でなされたが、戦時中の灯火管制でパサデナの街の灯が暗かったこと、ドイツ国籍で戦時動員をまぬがれたことなどが幸いした。その結果、恒星は種族Ⅰと種族Ⅱに分かれ、それぞれに属する脈動変光星は変光周期が同じでも絶対等級は異なることがわかった。この新たな周期-光度関係を用いて銀河の距離を決めなおしたところ、宇宙の大きさは従来知られていたより2倍も大きいことがわかった。
また超新星の概念を確立し、爆発後その中心に中性子星が残ることをツビッキー(F. Zwicky)と共に示したり、はくちょう座AやカシオペアAといった当時発見されたばかりの電波源を光学同定している。小惑星も10個発見した。1959年にドイツに戻り、1960年にゲッティンゲンで没した。1954年王立天文学会ゴールドメダル、1955年ブルース・メダル受賞。
ホールトン・アープによるバーデの追悼記事
https://articles.adsabs.harvard.edu//full/1961JRASC..55..113A/0000113.000.html
2024年08月24日更新
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