天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

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アイスキューブ実験 IceCube Experiment

南極の氷の下に設置された高エネルギー宇宙ニュートリノ望遠鏡。氷の中でニュートリノが相互作用して作り出す荷電粒子から発せられる微弱なチェレンコフ光を、透明な耐圧容器に封じ込めた光センサー(光電子増倍管)で検出することにより[…]

宇宙ジェット astrophysical jet

天体に周囲から降着するガスの一部が細く絞られて一方向または双方向に噴出するもの。ガスが細く絞り込まれる現象はコリメーション(収束)という。中心の天体の周りにはガスでできた降着円盤があると考えられている。英語の astro[…]

宇宙線 cosmic ray

宇宙空間に存在する高エネルギーの放射線や、それらが宇宙空間を伝搬する過程や地球大気に入射した際に作る放射線のこと。前者は1次宇宙線、後者は2次宇宙線と呼ばれる。1912年にオーストリアの物理学者ヘス(V.F. Hess)[…]

温室効果 greenhouse effect

大気を持つ惑星では、惑星表面からの熱放射が、宇宙空間(大気圏外)に到達する前に、大気中の物質に吸収・散乱され、エネルギー輸送が妨げられるため、大気内の温度が上昇する。これを温室効果という。ビニールやガラスで覆われた温室の[…]

温室効果ガス greenhouse gas

温室効果を引き起こすガスのこと。地球大気中で温室効果を引き起こすガスは多数あるが、効果の小さいものや、水蒸気のように効果は大きくても人間の活動では大気中の含有量がほとんど変化しないものは地球温暖化に大きな影響はない。人間[…]

ガイア衛星 Gaia satellite

天の川銀河(銀河系)の詳細な三次元地図を作ることを目的としてヨーロッパ宇宙機関が2013年12月に打ち上げたアストロメトリ専用の衛星。ヒッパルコス衛星の後継機である。太陽と地球のラグランジュ点 L2 の周りで観測を行う。[…]

化学進化 chemical evolution

化学反応により星間ガスの組成が変化すること。星間ガスでは宇宙線や紫外線による電離、再結合、他の分子との衝突のほか星間微粒子(ダスト)の表面での反応や吸着、温度変化により化学組成が変化する。入射する紫外線の量やガス密度が変[…]

化学進化(銀河の) chemical evolution of a galaxy

星生成活動に伴って銀河内の星間ガス中、および新たに生まれる星の大気中の金属量が増えること。ただし金属量とは、炭素より重い元素一般を指す。銀河の中で生成された大質量星は、生成されてから数百万年以内に超新星爆発を起こし、恒星[…]

火星 Mars

質量6.41 x1023 ㎏、赤道半径3396 kmはそれぞれ地球の約0.107倍、0.532倍である。密度は3930 ㎏m-3で、地球型惑星の中では最も低い。火星の会合周期は約780日(2年と2ヵ月)なので、この間隔で[…]

逆たたみ込み deconvolution

たたみ込み(コンボリューション)の逆操作のこと。 たたみ込みを参照。

GALEX衛星 Galaxy Evolution Explorer (GALEX)

アメリカ航空宇宙局(NASA)が、カリフォルニア工科大学、カリフォルニア州立大学、ジョンズホプキンス大学、韓国の延世大学などと共同して、2003年4月28日に打ち上げた紫外線天文衛星。紫外線の2つの波長域(波長135-1[…]

共動体積 comoving volume

共動座標で定義された体積。ある共動長に対応する物理的長さは宇宙年齢とともに変わる(スケール因子に比例する)ため、 通常共動長は、現在の宇宙における物理的長さで定義する。 したがって、1 Mpc3 の共動体積は、 赤方偏移[…]

銀河サーベイ galaxy survey

銀河に対するサーベイ観測のこと。一定の明るさ以上の銀河、あるいは輝線を出すなどの特定の性質を持つ銀河をすべて検出するために、ある天域を覆い尽くす観測。覆い尽くす天域の広いものは「ワイドサーベイ」(全天に近い広さなら「全天[…]

銀河進化 galaxy evolution

銀河が時間とともに姿や形を変えていくこと。銀河進化の骨格をなすのは星生成による星の増加であるが、それとともに質量や形態や色などのさまざまな属性も変化する。銀河進化を調べる最も直接的な方法は過去の(すなわち遠方の)銀河を観[…]

銀河進化モデル galaxy evolution model

銀河進化を記述するモデル。その物理的基礎となるのは、原始密度ゆらぎから生まれたダークマターハローが集合合体によって成長するという、階層的集団化モデルである。最初のダークマターハローは星を含んでいなかったが、流入したガスが[…]

恒星の進化 stellar evolution

恒星の内部構造の時間変化のこと。恒星は自己重力と圧力勾配のつり合った静水圧平衡に近い状態にあるが、化学組成の変化や質量放出によって次第に内部構造が変化する。恒星は星間ガスが自己重力により集まることで誕生する。表面からのエ[…]

公転 revolution

天体が系の重心の周りを回る現象のこと。惑星が太陽の周りを回る運動、衛星が惑星の周りを回る運動、太陽系が天の川銀河(銀河系)中心の周りを回る運動、などが公転である。1周するのにかかる時間を公転周期と呼ぶ。 公転は自明なこ[…]

コンボリューション convolution

たたみ込みを参照。

ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡 James Webb Space Telescope(JWST)

宇宙最初の星や銀河の形成、宇宙の再電離、太陽系外惑星の形成や生命の起源などの解明を目指すアメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙天文台。ハッブル宇宙望遠鏡の後継機。 対角が1.3 mの六角形をした軽量化ベリリウム製のセグメ[…]

主焦点補正光学系 prime focus corrector

望遠鏡の主鏡の第一焦点を主焦点と呼ぶ。主焦点では古典的カセグレン式望遠鏡の場合は光軸中心以外、すばる望遠鏡など近代のリッチー-クレチアン望遠鏡では光軸中心でも収差があり完全な結像とはならない。主焦点の前に複数枚のレンズ系[…]