天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

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宇宙の晴れ上がり 対応する英語なし

宇宙の晴れ上がりとは、ビッグバンによる宇宙誕生の約38万年後、赤方偏移にしてz = 1090の頃に、たとえて言えば、「濃い霧がかかったようになにも見えなかった状態から霧が晴れてくっきり景色が見える状態」へと宇宙の状態が変[…]

宇宙背景放射 cosmic background radiation

宇宙にはビックバン起源の放射である宇宙マイクロ波背景放射(CMB)だけでなく、別の起源による背景放射がさまざまな波長域で検出されいる。これを総称して宇宙背景放射という。たとえば、X線の波長領域では人工衛星の観測により宇宙[…]

L-S結合 L-S coupling

原子のエネルギー準位の近似的な計算方法。また、この近似法に従って分類されたエネルギー準位間の遷移の選択則のことを指す場合もある。ラッセル-ソーンダース結合ともいう。 電子の軌道角運動量とスピンの相互作用を含む相対論[…]

高速度星 high velocity star

太陽近傍の恒星で視線速度が65 km s-1以上のものを指す。天の川銀河(銀河系)の円盤に属する星は太陽と同じく円盤内で銀河中心を回るほぼ揃った運動をしているので、太陽との相対速度はそれほど大きくない。高速度星はたまたま[…]

光電子増倍管 photomultiplier

電子増倍機能によって高い感度を達成した光検出器。真空ガラス管内部に光電面と各種電極を納めた構造をしている。光電面の光電効果により入射した光子当たり1つ(実際は量子効率が掛かるので、平均的には1つ以下)の光電子が発生する。[…]

スウィング増幅機構 swing amplification

銀河の渦巻腕を維持、増強する機構の一つ。局所的で線形近似した密度波理論では扱えないが、数値シミュレーションではしばしば目にする現象として知られる。銀河回転に対して先行する渦巻型(中心から外側へ行くほど回転方向に対して先行[…]

スピン-軌道相互作用 spin-orbit interaction(coupling)

電子のスピン角運動量と電子の軌道角運動量の相互作用のこと。本質的には量子力学的な効果で生じるが、定性的には古典論からの類推として以下のように説明することも可能である。電子は、そのスピンに対応して磁気モーメントを持つ。これ[…]

脱結合 decoupling

ある粒子が他の粒子との熱平衡の状態から外れること。初期宇宙の高温高密度時には、さまざまな粒子は頻繁に相互作用することによりエネルギーを交換し合い熱平衡状態になっている。膨張に伴って宇宙の温度が下がると粒子の密度が下がり、[…]

ナイキストサンプリング Nyquist sampling

連続的に変化する信号を標本抽出する場合、取り扱いたい最高周波数の2倍の頻度でデータを抽出すること。標本化定理に基づいた標本抽出方法である。分光器の周波数分解能に対するチャンネルの周波数間隔、マッピング観測の際にビームサイ[…]

ナイキスト-シャノンの定理 Nyquist-Shannon sampling theorem

標本化定理のこと。

晴れ上がり clear up of the Universe

宇宙の晴れ上がりを参照。

標本化定理 sampling theorem

連続的に変化する信号を離散的に標本抽出する(サンプリングする)場合、抽出頻度を νmax とした標本からは、元の信号のうち [0, νmax] の周波数範囲だけは完全に再現可能であるという定理。ナイキスト-シャノンの定理[…]

レプリカ法 replica method

X線望遠鏡に用いる薄い反射鏡基板の製造法の一つ。磨き上げた円柱状のマンドレル(反射鏡の母型)に金の薄膜をコートし、その上にアルミ板を接着するか、ニッケル層をメッキ法で生成する。金属板をマンドレルからはぎ取ると、金の薄膜が[…]