天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

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天の川 Milky Way

月のない暗い晩に肉眼で見ると、夜空を大きく横切るように見える淡く輝く帯状の天体で、その正体は天の川銀河(銀河系)の円盤部にある無数の恒星の集団である。我々(太陽系)が中心から離れた円盤部に位置しているので、内部から見た円[…]

イベントホライズンテレスコープ Event Horizon Telescope

多数のミリ波・サブミリ波望遠鏡による地球規模の超長基線電波干渉計(VLBI)を構成して、ブラックホールのごく近傍、事象の地平線(イベントホライズン)近くまでの画像を高い空間分解能で撮像し、ブラックホールの物理の解明を目指[…]

宇宙の階層構造 hierarchical structure of the universe

宇宙に存在する天体の空間的分布に見られるいろいろなスケールの構造。たとえば多数の星が集まると星団と呼ばれる天体になる。銀河は、星や星団など個別天体の集団である。ただしその質量の多くは銀河に付随する見えない物質、ダークマタ[…]

エアリー Airy, George Biddell

エアリー(Sir George Biddell Airy;1801–1892)は、イギリスの数学者、天文学者。ノーサンバーランド州アニックで生まれ、1819年にケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジに入学、1824年にフ[…]

エイベルカタログ Abell catalog

1958年にエイベル(G.O. Abell)が発表した銀河団のカタログ。パロマー天文台のシュミット望遠鏡で撮られた 879 枚の写真乾板を眼視検査して見つかった2712 個の銀河団が掲載されている。このカタログは、196[…]

X線連星系 X-ray binary

通常の恒星と中性子星やブラックホールなどの高密度星との近接連星系で、相手の星から高密度星への質量降着で強いX線が放射されるもの。近接連星系の一方が巨星となりロッシュローブを超えて膨張すると、伴星への質量移動が起こる。 […]

FFT Fast Fourier Transform (FFT)

高速フーリエ変換を参照。

M31 Messier 31

アンドロメダ銀河のこと。メシエカタログの31番目の天体。NGCカタログではNGC 224。局所銀河群に属する渦巻銀河で、天の川銀河(銀河系)と並ぶ局所銀河群で最大の銀河である。太陽系からの距離は769±29 kpcで、絶[…]

オージェ Auger, Pierre Victor

ピエール・オージェ(Pierre Victor Auger;1899-1993)はフランス・パリ生まれの物理学者。原子物理学、原子核物理学、宇宙線物理学の分野で活躍した。 第二次世界大戦中は自由フランス軍に加わり、[…]

ガイア衛星 Gaia satellite

天の川銀河(銀河系)の詳細な三次元地図を作ることを目的としてヨーロッパ宇宙機関が2013年12月に打ち上げたアストロメトリ専用の衛星。ヒッパルコス衛星の後継機である。太陽と地球のラグランジュ点 L2 の周りで観測を行う。[…]

階層的集団化モデル hierarchical clustering model

軽い銀河が最初に生まれ、それらが集合合体を繰り返して重い銀河や銀河の集団ができたとするモデル。われわれの宇宙のように冷たいダークマターが物質の大部分を占める宇宙では、銀河は必然的にこのように進化する。このモデルにおいて本[…]

客星 guest star

中国や日本での古い記録上で、突発的に現れた天体の総称として用いられた言葉。「かくせい」と読むこともある。新星や超新星、彗星などが対応している。

吸収線 absorption line

スペクトル中で、特定の波長で強度が弱い部分。暗線ともいう。観測者から見て、高温の連続光源の手前に低温度のガスがある場合に観測される。太陽スペクトル中のフラウンホーファー線は代表的な吸収線である。吸収線スペクトル、スペクト[…]

吸収線スペクトル absorption line spectrum

吸収線を含むスペクトル。 通常の星のスペクトルは吸収線スペクトルである。太陽の可視光域に見られる吸収線はフラウンホーファー線と呼ばれる。

極軸 polar axis

赤道儀式望遠鏡において、地球の自転軸と平行に設けられた回転軸のこと。軸の方向が天の北極と天の南極を指すことから、こう呼ばれている。望遠鏡を極軸周りに地球の自転と反対方向(東から西)に回転させることによって、地球の自転によ[…]

クーロン障壁 Coulomb barrier

電荷同士のクーロン力により、二つの原子核の接近が妨げられること。古典的には、原子核の相対運動のエネルギーが、このクーロン力による静電エネルギーを上回らないかぎり、原子核反応が起きないはずなので障壁と呼ばれる。実際には量子[…]

高速度雲 high velocity cloud

太陽系から観測される天の川銀河の中性水素原子ガス雲は、ほとんどが、円盤部が示す回転運動にしたがっているが、それから大きく外れた視線速度を示すものがある。これを高速度雲という。便宜上、銀河回転からの視線速度の差が50-90[…]

高速フーリエ変換 fast Fourier transform

クーリー(J.W. Cooley)とチューキー(J.W. Tukey)によって1965年によって見いだされた、有限区間の離散フーリエ変換を計算機を用いて高速に行う算法のこと。有限区間に等間隔にN個の点を考え、そこでの関数[…]

光電子増倍管 photomultiplier

電子増倍機能によって高い感度を達成した光検出器。真空ガラス管内部に光電面と各種電極を納めた構造をしている。光電面の光電効果により入射した光子当たり1つ(実際は量子効率が掛かるので、平均的には1つ以下)の光電子が発生する。[…]

国際地球回転・基準系事業 International Earth Rotation and Reference Systems Service(IERS)

月や人工衛星へのレーザー測距(SLR, LLR)、超長基線電波干渉計(VLBI)、全地球測位システム(GPS)など、世界中の観測結果を取りまとめ、国際天文準拠系や国際地球準拠系、両者を結びつける地球姿勢パラメータを維持、[…]