ハビタブルゾーン
よみ方
はびたぶるぞーん
英 語
habitable zone
説 明
地球と似た生命が存在できる惑星系の空間。生命居住可能領域、生存可能圏などとも呼ばれる。液体の水が天体表面に安定に存在できる条件(表面温度が0℃ー100℃の範囲)から求められる。恒星のまわりの惑星やその衛星で定義されることが多いが、天の川銀河(銀河系)の中で議論されることもある。恒星の周囲の球状の空間で、太陽系では、太陽から0.97-1.39天文単位(au)程度である。恒星からの距離だけではなく、惑星に大気が存在することも重要な要素である。現在の地球の大気・海洋組成に対しては、太陽に近い内側の境界は、温室効果が強くなり水が蒸発を始めることで決まる。いったん蒸発が始まると、水蒸気による温室効果が強くなるため、温度はさらに上昇する。外側の境界は、惑星表面が凍り付く条件で決まる。いったん凍り始めると反射率が上がり、天体が獲得する太陽エネルギーが減少するため、さらに温度が低下する。
恒星のハビタブルゾーンの範囲は、中心の恒星の質量と年代、惑星の質量、自転速度、自転軸の傾き、大気の量と組成などにも影響を受ける。太陽系外惑星では、赤色矮星Gliese 581の周囲に発見されている6個の惑星のうち、内側から4番目の地球質量の3-4倍の天体Gliese 581 gが、ハビタブルゾーンのほぼ中央部に位置することがわかっている。2020年現在で、太陽系外の恒星のハビタブルゾーンにある地球サイズの惑星は約20個見つかっている。2017年には、みずがめ座の方向で距離約12パーセク(約40光年)にあるトラピスト-1という恒星(スペクトル型 M8)の周りに地球サイズの惑星が7個見つかった。このうち3個はハビタブルゾーンにある。
2020年08月12日更新
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