天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

渦巻腕

高

よみ方

うずまきうで

英 語

spiral arm

説 明

渦巻銀河が持つ渦状の構造のことで、渦状腕ともいう。渦巻腕の形状(腕の顕著さ、本数、巻き込み具合など)は極めて多様であり、渦巻銀河の詳細な形態分類の際に参考にされている。渦巻腕にはHII領域や暗黒星雲が存在しており、渦巻銀河の主要な星生成の場となっている。渦巻銀河は差動回転しているため、もし渦巻腕の寿命が十分長い場合は、時間とともにきつく巻き込まれてしまうはずだが、現実はそうなっていない。これを巻き込みの困難という。この問題を解決するために、渦巻腕は銀河円盤の上に発生した一種の波動パターンであり、物質の運動とは異なっているとする理論が、1960年代半ばにリンとシューによって提案された。これを密度波理論という。しかし、この理論の正否はまだわかっておらず、渦巻腕の正体と成因についての研究は現在も続いている。

2018年03月15日更新

関連画像

おとめ座銀河団にある渦巻銀河M100。発達した2本の渦巻腕を持つ。(すばる望遠鏡撮影)
(提供:国立天文台ハワイ観測所 http://www.naoj.org/Gallery/hdtv/m100.jpg)