月食
よみ方
げっしょく
英 語
lunar eclipse
説 明
太陽–地球–月がこの順番にほぼ一直線となり、地球の影に月が入って暗くなる現象。地球の半影に入る場合は月が暗くなったことはほとんどわからない。このため、一般的には単に月食というと、月が地球の本影に入る本影月食のことを指す。
月食が起こるのは満月のときだけであるが、満月のときに毎回月食が起きるわけではない。それは黄道と白道が約5°傾いているためである。わずかな角度と感じるかも知れないが、地球と月との距離は約38万kmと地球の直径の約30倍もあるため、わずかな角度でも地球の影の外を月が通過することになり、両者の交点の近くで満月になるときにのみ月食が起こる。月が完全に隠される場合を皆既食、一部のみ隠される場合を部分食という。日食と違って月食は、月が見える場所なら地球上のどこからも見え、皆既食の継続時間は最大1時間40分以上にも達する。月食の起こる頻度は平均で年間約1.4回で、日食の頻度(平均で年間約2.2回)より少ない。
皆既食のときでも月は完全な暗黒ではなく、微かな赤褐色に見える。これは地球大気によって屈折や散乱された光が、地球の本影中に入り込むからである。青い光は散乱されやすいので地球の大気を透過しにくいが、赤い光は散乱されにくく、青い光に比べて地球大気を透過しやすいので、皆既食中の月の色は赤っぽくなる。散乱は大気中の塵や雲などによって影響を受けるので、皆既食中の月の色や明るさは月食の度毎に微妙に異なる。日食も参照。
月食が起きる仕組み(国立天文台)
https://www.youtube.com/embed/qq8I-Ri47Hs
2023年04月18日更新
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