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宇宙風化作用

 

よみ方

うちゅうふうかさよう

英 語

space weathering

説 明

宇宙風化作用とは、大気のない固体天体の表面の紫外、可視、赤外域の反射スペクトルが時間とともに、暗化、赤化(赤外より紫外・可視域の低下が大きい)し、さらに吸収帯(たとえば輝石やカンラン石に特有の1μm の吸収帯)も浅くなっていく現象を指す。月の岩石とソイルの反射スペクトルの違い小惑星(スペクトル型がS型)と隕石(普通コンドライト)とのスペクトル不一致の原因とされている。その原因は、宇宙空間ダストが天体表面を覆うレゴリス粒子に高速で衝突したときの高温で生成された岩石物質の蒸気が再凝縮する際に生成される、数 nm から数 10nm サイズの鉄ナノ微粒子による。加熱の原因として太陽風照射も考えられている。この機構は Hapke が 1970 年代に提唱していたが、長い間、月では衝突によるガラス化が反射スペクトル変化の原因であると考えられていた。1990 年代に Keller らが月ソイル中に鉄ナノ微粒子を発見、また佐々木らはダスト衝突を模擬したパルスレーザー照射実験で、宇宙風化作用に特徴的な、反射スペクトルの低下、赤化を再現するとともに、原因が鉄ナノ微粒子であることを明らかにした。
宇宙風化作用は、小惑星だけではなく水星などを含む、大気のない岩石質天体において共通の現象である。風化度の違いから表面の相対年代(宇宙空間に晒されていた年代)の違いを議論することが可能になる。小惑星の族では、スペクトル型がS型のものは年代が古いほど風化度が進んでいることが明らかになっている。一方、スペクトル型がC型の小惑星は年代が古いほど反射スペクトルの傾きが弱くなる青化を示すが、その原因は解明されていない。

2018年03月06日更新

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    宇宙風化作用の原因となる鉄ナノ微粒子