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ナトリウム層

 

よみ方

なとりうむそう

英 語

sodium layer

説 明

地球大気の高度90km付近にある厚さ10km程度の中性ナトリウム原子密度の高い層。流星によって形成されたと考えられている。波長589nmのナトリウムD線で発振するオレンジ色のパワーレーザーをこの層に照射すると光励起されたナトリウム原子が同じD線の光を放って基底状態に戻るため、高度90kmに発光体が生じる。人工星のように見えるこの発光現象(レーザーガイド星)を地上から観測するとその下層の大気の擾乱を測定する光源として使うことができる。望遠鏡の向いている方向にレーザーを打てば、波面測定が可能な明るい自然星がない領域でも大気ゆらぎを測定できるので、補償光学の利用範囲が広まる。このため、近年特に注目されるようになった。

2018年03月06日更新

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