磁場(惑星の)
よみ方
じば(わくせいの)
英 語
planetary magnetic fields
説 明
惑星の磁場は、惑星内部にある電気伝導度を持つ流体の運動によって生成され維持されていると考えられる。この流体が磁場中で対流を起こすと電流が生じ、その結果、新たな磁場が生成される。それがもとの磁場を強め電流のオーム散逸を上回る場合、磁場は維持される。このようなメカニズムをダイナモ作用という。
地球型惑星のうち現在でも磁場が維持されているのは地球と水星である。このため、地球と同様に水星でも核の一部は融けていると考えられる。現在の火星には磁場はないが、表面の地殻に残留磁化があり、過去に地球と同様の磁場が存在していた時期があったことを示唆している。金星も現在は磁場がない。金星の場合、地表温度が高く磁性が失われるキュリー温度に近いので残留磁化は確認されていない。このため金星で過去に磁場が存在したかどうかはわからない。
木星型惑星である木星、土星、天王星、海王星は、いずれも磁場を持ち、それに伴うオーロラの観測もされている。特に木星の磁場は最も強く、磁気双極子モーメントで表すと地球の約2万倍になる。磁気軸と回転軸との関係は惑星間で大きく異なっている。特に天王星と海王星では両軸の方向が大きくずれているだけでなく、磁気双極子モーメントの中心が惑星中心から大きくずれている。これは磁場を生成する流体運動が惑星の中心付近ではなく、惑星半径の半分より外側の領域で起こっていることを反映していると考えられている。
2018年09月16日更新
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