天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

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等級 magnitude

天体の明るさを測る単位で、「級」を省いて単に1等、2.3等、-0.4等などともいう。 古代ギリシアのヒッパルコスは、1000個あまりの恒星を記載したヒッパルコス星表で、星を明るさに従って6つの光度階級に分類した。最も明[…]

ドップラー Doppler, Christian Andreas

クリスティアン・アンドレアス・ドップラー(Christian Andreas Doppler;1803 -1853)は、オーストリアの物理学者、数学者。観測者と震動源との相対運動によって振動数が変化すること(いわゆる「ド[…]

ドップラー効果 Doppler effect

波の発生源と観測者の相対的な速度によって波の周波数が(従って波長も)変化して観測される現象。音波などの媒質を伝わる波と(特殊相対性理論に基づく)電磁波では周波数変化を計算する式がわずかに異なる。互いに近づく場合には周波数[…]

ドップラー幅 Doppler width

ガス中の原子・分子やイオンの運動による光のドップラー効果の影響で、輝線や吸収線に生じる幅。その半値幅の半分(半値半幅)に相当する波長のずれを生じさせる速度を用いて、「ドップラー幅2000 km/s」などと表されることが多[…]

ドップラー分光法 Doppler spectroscopy

ドップラー法を参照。

ドップラー偏移 Doppler shift

ドップラー効果により、観測される波長が(従って周波数も)発信源における値からずれる現象およびずれの量の双方を指して用いられる。電磁波の場合には、波長の長い方へのずれを赤方偏移、波長の短い方へのずれを青方偏移と呼ぶ。

ドップラー法 Doppler spectroscopy

太陽系外惑星の検出方法の一つ。ドップラー分光法、視線速度法などとも言う。恒星に比べると惑星は非常に軽いが、恒星のまわりを惑星が公転すると、惑星の引力により恒星自体も微小にふらつく(両者は共通重心の周りを公転している)。恒[…]

トムソン散乱 Thomson scattering

非相対論的な自由荷電粒子による電磁波の弾性散乱のうち、可視光などの低周波の電磁波の散乱で、散乱前後で波長の変化を伴わないもの。 これに対して波長の変化を伴うX線やガンマ線など短波長の電磁波の散乱をコンプトン散乱という。[…]

トランジット法 transit method

太陽系外惑星検出方法の一つ。惑星の軌道面が観測者の視線方向とほぼ平行な場合、つまりその系をほぼ真横から見ているとき、惑星は公転のたびに中心星の前面を通過する(トランジット)。このとき惑星は恒星面の一部を隠すため、恒星の明[…]

日食限界 solar ecliptic limits

月の軌道は太陽の軌道に対して約5.1°傾いているため、その交点付近で朔(新月)となるときにしか日食は起こらない。朔となるのが交点に近いほど、太陽と月の離角は小さくなり、日食の食分は大きくなる。逆に、交点から離れすぎると日[…]

熱雑音 thermal noise

物質内で電子が熱運動することに起因する雑音のこと。発見者にちなんでナイキストの熱雑音やジョンソン雑音と呼ばれることもある。回路がもつ時定数の逆数より十分低い周波数では、温度 $T$ の抵抗が発生する熱雑音の単位周波数あた[…]

熱幅 thermal width

ガスが発する輝線の幅のうち、ガスを構成する原子や分子が熱運動することで生じるもの。同種の気体の場合はガスの温度に関係し、高温ほど幅が広い。熱運動によるドップラー効果が原因で、これによる輝線輪郭の形状はガウス分布(正規分布[…]

年周視差 annual parallax

視差のうち、地球の公転運動のために、天球上の天体の位置が変化して見える現象とその大きさのこと。三角視差と呼ばれることもある。具体的には、1年間に恒星は天球上で視差楕円と呼ばれる楕円の上を運動するように見える(実際には、黄[…]

ノーベル賞 Nobel Prize

ダイナマイトの発明者として知られるスウェーデンの発明家・企業家アルフレッド・ノーベル(Alfred Bernhard Nobel)の遺言に従って、彼の遺産に基づいて創設された世界的な賞。1901年から始まり、物理学、化学[…]

パーセク parsec(pc)

年周視差が1角度秒(1'')となる距離。記号はpcである。年周視差がp''の場合、距離は1/p pcとなる。天文学で用いられる最も基本的な距離の単位である。年周視差はその天体から1天文単位(au)を見込む角度なので、それ[…]

バーデ-ウェッセリンク法 Baade-Wesselink method

星の真の大きさと見かけの大きさ(視直径)から、セファイドやこと座RR型変光星のような脈動変光星の距離を求める幾何学的方法。年周視差による方法と同じ幾何学的方法なので、宇宙の距離はしごの最も基本的な方法の一つである。アメリ[…]

はぎ取り stripping

ガスのはぎ取り(銀河の)を参照。

萩原雄祐 HAGIHARA Yusuke

日本の天文学者(1897-1979)。理論天文学の広い分野で研究業績をあげた。大阪に生まれ、東京帝国大学天文学科卒業。イギリスのエディントン(A. Eddington)、アメリカのバーコフ(G. Birkhoff)のもと[…]

ハギンス Huggins, William

ハギンス(William Huggins;1824-1910)はイギリスの天文学者。王立天文学会の会員で、学会から観測機器も貸与されていたが、自身は繊維業の経営者であり、ロンドン郊外の私設天文台で観測を行なっていたので、[…]

ハッブル-ルメートルの法則 Hubble-Lemaitre law

宇宙が膨張していることを述べた法則。「宇宙のどの方向を見ても、遠方の銀河ほど速い速度で銀河系(天の川銀河)から遠ざかり、その遠ざかる速度(後退速度)は銀河までの距離に比例する」と要約される。銀河の後退速度 を $v$ [[…]