振動子強度
よみ方
しんどうしきょうど
英 語
oscillator strength
説 明
光の吸収や放出にかかわるエネルギー準位間の遷移確率を表すのに用いられる補正係数。古典的な電子論で仮定されている物質中の電子の振動子模型では、あるスペクトル線に関する光の吸収断面積はcgsガウス単位系で となる(
、
は電子の電荷と質量、
は光速)が、量子力学にもとづく計算あるいは実験から得られる遷移確率は、これに対する補正係数
を導入して表記する。この
のことを振動子強度という。アインシュタインの遷移確率との関係は
となる。ここで
はプランク定数、
は振動数、
は下の準位
から上の準位
への遷移についてのアインシュタイン係数のうちの
係数である。これに遷移前の準位の統計的重みを掛けた値はgf値とも呼ばれ、多数のスペクトル線についての測定あるいは計算データが報告されている。
2018年04月24日更新