マクスウェル-ボルツマン分布
よみ方
まくすうぇるぼるつまんぶんぷ
英 語
Maxwell-Boltzmann distribution
説 明
古典力学に従う理想気体の熱平衡状態での分子の確率分布。マクスウェル分布ともいう。温度 $T$ の場合、質量が $m$ で速度が $(u, v, w)$ の分子は、
$$\exp\left[-\frac{m}{2k_{\rm B}T}(u^2+v^2+w^2)\right]$$
に比例して存在することを記述している。ここで $k_{\rm B}$ はボルツマン定数である。この式は、粒子の運動エネルギー $m(u^2+v^2+w^2)/2$ をボルツマン分布に代入した結果と見ることもできる。マクスウェル-ボルツマン分布は、速度の絶対値が $v$ である分子の分布を表す $C v^2\exp[-mv^2/(2k_{\rm B}T)]$ を指すこともある($C$ は任意定数)。
量子性を考慮すると熱平衡での分布はフェルミ統計あるいはボース統計となるので、マクスウェル-ボルツマン分布は量子性が無視できる場合のこれらの近似となっている。
2023年05月08日更新
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