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ボース統計

 

よみ方

ぼーすとうけい

英 語

Bose statistics

説 明

光子やアルファ粒子などボース粒子の集団が従う統計規則。ボース-アインシュタイン統計あるいはボーズ分布ということもある。同一種類の複数のボース粒子は区別がつかず、また何個でも同時に同じ状態に存在できる。このために温度 $T$ で熱平衡にある場合、状態 $i$ の分布関数は、

$$f=\frac{1}{\exp[(\varepsilon_i-\mu)/k_{\rm B}T]-1}$$

と表される。ここで $\varepsilon_i$ は状態 $i$エネルギー準位$\mu$ は化学ポテンシャル、$k_{\rm B}$ボルツマン定数である。化学ポテンシャル $\mu$ が負の大きな値の場合、ボルツマン分布に近づく。化学ポテンシャルはつねに基底状態のエネルギーより低い。基底状態のエネルギーと等しくなるとボース-アインシュタイン凝縮を起こす。フェルミ統計も参照。

2023年05月07日更新

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    *ボーズ分布、フェルミ分布、ボルツマン分布の比較。
    http://www.isc.meiji.ac.jp/~nkato/Useful_Info.files/DF.html