グラビティーノ
よみ方
ぐらびてぃーの
英 語
gravitino
説 明
超重力理論に現れる素粒子の一種で、グラビトン(重力子)の超対称性パートナーである。スピン3/2をもつフェルミ粒子である。その質量は超対称性を破る機構と密接に関係し、たとえば重力によって超対称性を破る場合は102-103 GeV 程度の値をとるのが標準的であり、ゲージ相互作用を通じて破れる場合はもっと軽くてもよい。グラビティーノは超対称性粒子の中で最軽量である場合を除き不安定であるが、他の粒子と重力の強さでしか相互作用をしないため、その寿命は質量$m_{3/2}$ だけで決まり、
$$\tau \simeq 10^8\left(\frac{m_{3/2}}{100\,{\rm GeV}}\right)^{-3}\,\,\,\,[{\rm s}]$$
と長い。そのため初期宇宙の軽元素合成後に崩壊し、生成した元素を壊してしまうため、その存在量は強く制限される。インフレーション後のグラビティーノの生成数密度とエントロピー密度の比は再加熱温度に比例するため、このことは再加熱温度の上限を与え、$T_R$ <106-108 GeV 程度の値を満たさなければならない。ただし、この制限は軽元素合成前に別のエントロピー生成機構があれば緩和される。
2023年04月18日更新
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