天動説
よみ方
てんどうせつ
英 語
geocentrism
説 明
天球上の天体の動きを、地球が宇宙の中心にあって、他のすべての天体はその周りを公転するとして説明するモデルのこと。学術上の名称は「地球中心説(geocentrism)」である。複雑な惑星の見かけの運動を、円運動を基本として表すために、周転円や離心円などの複雑な仕組みを必要とした。
紀元前の古代ギリシャで、エウドクソス(Eudoxos)、アリストテレス(Aristotle(Aristoteles))、アポロニウス(Apollonios)、ヒッパルコス(Hipparchus)らに端を発し、紀元2世紀にアレクサンドリアのプトレマイオス(Ptolemaeus)によって体系づけられた。
天動説は、単なる一つの宇宙モデルというだけではなく、哲学的世界観と密接に結びついて発展し、13世紀頃からはヨーロッパでキリスト教の世界観となり、宗教的権威を持つに至った。惑星は太陽の周りを公転するという地動説が広く受け入れられるようになる17世紀まで、中世西欧社会の標準的な宇宙観であった。人間のいる固定した大地の上に天上の世界があるとする世界観は、古代インドの須弥山説などにも見られるが、それらは一般的には天動説とは呼ばない。地動説も参照。
2019年01月07日更新
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