南極点望遠鏡
よみ方
なんきょくてんぼうえんきょう
英 語
South Pole Telescope (SPT)
説 明
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)を観測するために南極に設置されたマイクロ波からミリ波帯域の電波望遠鏡。略称のSPTで呼ばれることが多い。ファーストライトは2007年で、北アメリカの9つの大学及び研究機関が参加するSPT Collaborationが運用を行っている。近年ではイベントホライズンテレスコープを構成する望遠鏡の一つでもある。設置場所はアムンゼン-スコット基地から1キロメートルほど離れた南極点のごく近くの標高約2800メートルの地点である。
この望遠鏡は口径10 mの軸外しグレゴリー式望遠鏡(グレゴリー焦点を参照)である。架台は経緯台式であるが、設置場所が南極点に近いため、実質上赤道儀式と同じになる。約1平方度という広い視野を有し広天域のサーベイ観測を行っている。
初代の検出器(SPT-SZカメラ)は2011年に南天2500平方度をサーベイして、スニアエフ-ゼルドビッチ効果により多数の銀河団を検出した。第2代のSPTPolカメラは500平方度の天域を非常に深くサーベイした。2017年に95,150,220 GHzが観測できる約16,000の検出素子を有する第3代のSPT-3Gカメラが搭載され、インフレーション理論の証拠となるCMBの偏光(Bモード)およびダークエネルギーの性質を調べるための観測を行っている。
2025年08月12日更新
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