ベッセル
よみ方
べっせる
英 語
Bessel, Friedrich Wilhelm
説 明
ベッセル(Friedrich Wilhelm Bessel;1784-1845)はドイツの天文学者、数学者。ドイツ北部のミンデンで公務員の子に生まれ、14歳で貿易商社の見習いになった。数学や天文学を独学で学び、1804年にハレー彗星の軌道を再計算したところ、オルバース(H. Olbers)に認められ、会計係の仕事から天文学者に転身した。1806年、リリエンタール天文台に勤務、1810年にはケーニヒスベルク天文台の台長およびケーニヒスベルク大学の教授に就任した。恒星の位置観測に熟達し、個人差や器差、大気差などの研究も行ない、約5万個の精密な恒星位置を観測している。1838年には、はくちょう座61番星(61Cyg)の年周視差を測定した。また、シリウス(αCMa)の位置変動を検出し、暗黒伴星によるとした。これが後にシリウスBと呼ばれる白色矮星である。さらに測地学や重力測定の分野でも業績を残し、これらの研究を通じて、近代的な天文測定学、位置天文学の基礎を築いた。特殊関数の一つとして知られるベッセル関数は多体問題の研究中に見つけた。1829年と1841年に王立天文協会ゴールドメダルを受賞している。
2024年11月17日更新
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