パロマー天文台スカイサーベイ
よみ方
ぱろまーてんもんだいすかいさーべい
英 語
Palomar Observatory Sky Survey(POSS)
説 明
パロマーシュミット望遠鏡(視野6.6度、写真乾板の実寸35.6 cm四方)を使って行われた写真乾板による全天サーベイ。第1次サーベイ(POSS-I)と第2次サーベイ(POSS-II)がある。第1次サーベイは、アメリカ地理学協会の出資により1949-58年に行われた。赤緯-30度以北の全天936天域を、可視光の青と赤のバンドで撮影した。完成後は、乾板を印画紙に焼き付けたセット(パロマーチャートと通称)が世界の主な研究機関に有償配布され、天文学の基本資料となった。POSS-Iの原乾板やパロマーチャートの眼視検査からさまざまなカタログが作られた。
第2次サーベイは1987-99年に、高性能の写真乾板を用いて、赤緯-30度以北の897天域に対して、青、赤、近赤外線の3バンドで行われた。それより南は同時期に、UKシュミット望遠鏡(UKST)とチリにあるESOの1 mシュミット望遠鏡でESO/SERC南天サーベイが行われた。これらの写真乾板はその後乾板測定器でデジタル化され、現在ではデジタルデータとして利用可能になっている(DSSを参照)。
パロマー天文台スカイサーベイはじめシュミット望遠鏡による写真乾板を用いたサーベイ観測から作られたカタログは、21世紀になって新しい世代のサーベイ観測が始まるまで、天文学の基礎データとして広く活用された。
2020年03月19日更新
この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。
受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。