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偏光

高

よみ方

へんこう

英 語

polarization

説 明

横波である光(電磁波)の電場成分は進行方向に対して垂直な面で振動するが、その振動面が偏っている状態。可視光と赤外線では「偏光」と呼ぶが電波では「偏波」と呼ぶ。一般的にはストークスパラメータで記述される。単一の光波を考えると、電場の振動は直交する2軸(X, Y)の成分に分解することができる。それぞれの軸方向の振動はそれぞれの振幅と位相によって記述され、偏光状態はそれぞれの振幅と位相差の組み合わせによって決まる。
位相差が0^{\circ}180^{\circ}のとき、もしくは、片方の振幅が0のときは、電場の振動が直線的になり直線偏光(状態にある)という。また、2つの振幅が等しく位相差が90^{\circ}270^{\circ}のときには電場ベクトルの先端が円を描き円偏光(状態)と呼ばれる。これ以外のパラメータでは楕円偏光(状態)となる。実際に観測される光は多くの光子の集団であり、偏光状態も多くの光子の状態の和となる。たとえば、ある特定の方向の直線偏光の光が多く含まれる場合には、直線偏光しているといい、その成分の全体の光強度に対する比が偏光度である。
完全にランダムで偏りのない偏光状態の光の集合を自然光という。

天体では非対称が原因で偏光が観測されることが多い。非対称の第一の原因は磁場である。磁場によって偏光している代表的な天体としては、太陽黒点A型特異星白色矮星、パルサー、分子雲、原始惑星状円盤など多数ある。

2019年09月19日更新

関連画像

すばる望遠鏡による近赤外線偏光観測で捉えられた「おうし座 UX A 星」の原始惑星系円盤の姿(左)。「おうし座 UX A 星」の原始惑星系円盤の見え方の概念図(右)。捉えられた円盤の (全体としての) 形が南北方向 (左図では上下方向) にやや延びており、また西側が東側に比べてやや明るいことから、正面に対して東西方向 (左図では左右方向) に (西側が私たちに対して近くなるように) 傾いた円盤を見ていると考えらる。(クレジット: 国立天文台)
https://www.subarutelescope.org/Pressrelease/2012/11/27/j_index.html