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大気の窓

高

よみ方

たいきのまど

英 語

atmospheric window

説 明

大気吸収の小さい波長帯の総称。可視光(波長0.35-1μm)と電波(波長1mm-30m)には波長幅の広い大気の窓がある。近赤外線にも波長1-20μm にかけて不連続にいくつかの大気の窓が存在し、それらは、短波長側から z, J, H, K, L, M, N, Q バンドと呼ばれる。可視光の大気の窓は幅が広いため測光システムに制約はないが、近赤外線の測光システムは原則として大気の窓で決まっており、基本的には大気の窓の名称がそのまま測光システムのバンドの名称として用いられている。高地で低湿度な環境ほど大気吸収は小さくなり大気の窓は広がる。図示された大気の窓以外の波長帯となる紫外線・X線・ガンマ線領域、および中間赤外線領域の観測は、飛翔体を用いて観測装置を大気の外に運び行う必要がある。電磁波も参照。

2019年09月12日更新

関連画像

* 大気の窓。横軸は波長で縦軸は地上高度、緑の領域では電磁波が地上に届かない。
(原図は芝井広氏による)
*マウナケア山頂における大気透過率のモデル計算結果。可降水量=1mmと仮定。大気吸収のバンドにはおもな吸収を起こすガスが示してある。
山下卓也「天体からの光・赤外放射」、シリーズ現代の天文学第15巻、家・岩室・舞原・水本・吉田編『宇宙の観測I』第2版 2章 図2.6(日本評論社)