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「用語名」に含まれる"Absorption"の検索結果(12件)

absorption coefficient 吸収係数

電磁波が物質中を透過する際に、どの程度の割合が吸収によって弱くなるかを示す係数。 一様な物質中を電磁波が透過するとき、ほとんどの場合は、入射強度に対して一定の割合だけ吸収が起こり、その程度は透過距離に比例する。[…]

absorption cross section 吸収断面積

物質による電磁波の吸収の効率を表す物理量。一定の強度で入射する単色電磁波がある場合、入射波の進行方向に垂直な単位平面を単位時間当たりに通過するエネルギーを入射波の強度 F とし、物質に吸収される電磁波のエネルギーを単位時[…]

absorption line 吸収線

スペクトル中で、特定の波長で強度が弱い部分。暗線ともいう。観測者から見て、高温の連続光源の手前に低温度のガスがある場合に観測される。太陽スペクトル中のフラウンホーファー線は代表的な吸収線である。吸収線スペクトル、スペクト[…]

absorption line spectrum 吸収線スペクトル

吸収線を含むスペクトル。 通常の星のスペクトルは吸収線スペクトルである。太陽の可視光域に見られる吸収線はフラウンホーファー線と呼ばれる。

atmospheric absorption 大気吸収

地球大気中の分子による光の吸収。可視光では大気吸収はほとんどないが、紫外線は窒素分子や酸素分子により大部分が吸収され、赤外線は水蒸気や二酸化炭素、メタン、オゾンなどにより特定の波長で吸収される。大気吸収の小さい波長帯は大[…]

Broad Absorption Line (BAL) quasar BALクェーサー

窒素、炭素、シリコンなどの高階電離原子(N V, C IV, Si IV)による、幅が広くて(10000-30000 km s-1)かつ青方偏移した吸収線をもつクェーサー。高い柱密度の濃いガスが視線方向に高速で吹き出てい[…]

gas absorption cell ガスセル

ガス吸収セルあるいはガス吸収フィルターとも呼ばれる。高分散分光器を用いたドップラー法による太陽系外惑星の検出では、波長を高精度で測定する必要がある。恒星のスペクトルと、同じ経路に置かれた特定のガスのスペクトルとを同時に比[…]

gas absorption filter ガス吸収フィルター

太陽系外惑星の重要な検出方法であるドップラー法では、観測される輝線や吸収線の波長が実験室での波長とどれだけずれているかを精確に測定する必要がある。この際、観測機器などに起因する系統誤差を小さくする代表的方法の一つとして、[…]

intergalactic absorption 銀河間吸収

銀河やクェーサーから出た光がわれわれに届くまでに銀河間空間の物質によって吸収されること。銀河間空間にはさまざまな規模のガス雲や希薄なガスが存在している。それらのほとんどは暗すぎて直接検出することはできないが、もし背後に明[…]

interstellar absorption 星間吸収

星間空間を電磁波が、伝搬する途中で星間空間の物質に吸収されること。 実際には物質による吸収と散乱があり、その両方の効果を合わせて減光と呼ぶ。星間吸収を星間減光と同じ意味に用いることもある。

quasar absorption line systems クェーサー吸収線系

クェーサーのスペクトルに見られる多数の吸収線を指し、われわれとクェーサーとの間の宇宙空間にある物質がクェーサーからの光を吸収することによって起こる。特に、ライマン系列のライマンα(アルファ)輝線よりも短い波長側には、宇宙[…]

stimulated absorption 誘導吸収

ガスを構成する原子や分子が外部から入射した光子を吸収し、そのエネルギー分だけ高いエネルギーの量子状態に遷移する現象。単に「吸収」と呼ばれることもある。