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サイモンズ天文台

 

よみ方

さいもんずてんもんだい

英 語

Simons Observatory

説 明

宇宙の起源と初期進化に関わる基本的な物理プロセスの解明に向けて、国際的な宇宙論研究プロジェクトがチリ北部のアタカマ砂漠、標高5200 mの高地に建設中の天文台。三世代ニュートリノの質量の和(あるいは上限値)の決定、軽い素粒子の探査、ダークエネルギーの性質、銀河間物質銀河団の理解の進展、銀河形成におけるフィードバックの役割などの研究を目指す。
プロジェクトの中核となるのはアメリカのサイモンズ財団、ペンシルバニア大学、プリンストン大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校、カリフォルニア大学バークレー校、ローレンスバークレー国立研究所の6機関。全体ではこれらを含む世界の35以上の研究機関から集まった270人以上の研究者と技術者からなる。
サイモンズ天文台は、既存のアタカマ宇宙論望遠鏡(Atacama Cosmology Telescope: ACT)、サイモンズアレイ(The Simons Array)、及び4つの新しい観測装置、すなわち3台の小口径望遠鏡(Small Aperture Telescopes: SATs)と口径6 mの大口径望遠鏡(Large Aperture Telescope: LAT)からなる。これらにより、宇宙マイクロ波背景放射温度ゆらぎ偏光の異方性を27, 39, 93, 145, 225 and 280 GHzを中心とする6つのバンドで測定する。小口径望遠鏡は、全天の10%の天域にわたり原始重力波が宇宙マイクロ波背景放射に残す痕跡を探査する。大口径望遠鏡は、1分角程度の分解能で全天の半分を観測する。
この4つの望遠鏡を合わせると、既存の他のすべての宇宙マイクロ波背景放射観測装置を合わせたよりも多い60,000個の超伝導検出器が空に向けられることになる。検出器は0.1 Kという低温で動作しノイズが低く精度と分解能が高い。プランク衛星の10倍の感度と5倍の空間分解能を有しているので、既存の他の宇宙マイクロ波背景放射探査観測の1桁以上サーベイ効率が高い。観測は2022年の終わりに開始され5年間継続する予定である。
ホームページ
サイモンズ天文台:https://simonsobservatory.org/
サイモンズアレイ:https://cosmology.ucsd.edu/simonsarray.php
アタカマ宇宙論望遠鏡:https://act.princeton.edu/

 

2022年04月12日更新

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    サイモンズ天文台の望遠鏡
    (出典は画像に明記)