真空の相転移
よみ方
しんくうのそうてんい
英 語
phase transition of vacuum
説 明
まず、素粒子物理学における真空とは、エネルギー零の状態というよりは、物質場の励起していない基底状態、という意味である。したがって、何らかの原因によって真空の基底状態自体が変化することが真空の相転移である。
その最も典型的な例は、右図のようなヒッグス場の相転移である。これはヒッグス場のポテンシャルを簡単のため1成分だけ描いたものであるが、初期宇宙の高温かつ高密度時には、有限温度効果により、図の(a)のような形を持つ。これは、熱浴からエネルギーが供給されるため、取り得る状態数の多い、対称性の回復した
温度が低下すると有限温度補正はなくなり、ポテンシャルは図の(b)のようになる。このときエネルギーが最小になる基底状態は
自発的対称性の破れ、インフレーション理論も参照。
2023年05月14日更新
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