局所宇宙
よみ方
きょくしょうちゅう
英 語
Local Universe
説 明
宇宙のスケールから見て、太陽系からそれほど遠くない宇宙空間を(場合によってはその中にある天体まで含めて)指す名称。近傍宇宙とも呼ばれる。天の川銀河(銀河系)およびその中の諸天体が含まれることはもちろんだが、銀河系外の銀河については、その境界がどこまでか明確な定義はなく、研究分野や研究者によってかなり異なる場合がある。
国際天文学連合の部会Hは「星間物質と局所宇宙(Interstellar Matter and Local Universe)」と命名されている。そのホームページには次のように記されている。「部会Hが扱う研究は主に、我々の天の川銀河と近傍銀河(約15メガパーセク=5千万光年以内)の中にある恒星と星間物質の研究である。」
部会Hの下にある委員会H1は「局所宇宙(The Local Universe)」と命名されている。そのホームページには次のように記されている。「委員会H1は'近傍での宇宙論'すなわち天の川銀河とその周辺にある銀河の研究を行う。異なる環境および大きく異なる質量を持つ銀河がどのように進化してきたのかを調べるのが第一の目標である。」
138億年にわたる銀河の誕生と進化に注目する場合は、現在の銀河と同じ性質と見なせる銀河の存在する範囲、すなわち銀河進化の影響が無視できる範囲を局所宇宙と呼ぶが、その場合には赤方偏移z=0.1(13億光年)程度あるいはもう少し遠くまで想定する場合もある。
局所銀河群、局所超銀河団、局所高温バブルは固有名詞であり、我々の銀河系がその中にあるという意味合いで「局所」が用いられている。
国際天文学連合部会H ホームページ
https://www.iau.org/science/scientific_bodies/divisions/H/
国際天文学連合委員会H1 ホームページ
https://www.iau.org/science/scientific_bodies/commissions/H1/
2020年02月06日更新
この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。
受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。