ドレーパー,ジョン
よみ方
どれーぱー,じょん
英 語
Draper, John William
説 明
ジョン・ドレーパー(John Draper; 1811-1882)はイギリス生れのアメリカの化学者。アマチュア天文家であり写真家でもあった。イギリスで教育を受け、父の死後1832年にバージニアに移住した。1836年にペンシルベニア大学医学部を卒業、翌年ニューヨーク大学の化学・植物学教授に就任、1840年からは自ら創設した医学部の教授を務めた。
1840年には、フランスのダゲールが発明した湿式の銀板写真を用いるダゲレオ式カメラをニューヨーク州の自宅の庭に置いた小型望遠鏡に取り付けて、直径2.5cmの月面の撮影に成功した。さらに写真による天体分光に挑戦した。1843年には太陽の分光写真から新しいフラウンホーファー線を発見し、月の可視スペクトルの写真撮影にも成功した。1844年には回折格子を用いた太陽の分光写真撮影に成功した。これらはヨーロッパのキルヒホッフやハギンスらより20年近く早い先駆的観測であった。
ジョンはアマチュア天文家として将来自分の天文台を持ちたいと思い、ハドソン川の河口から約30 kmのヘイスティングス・オン・ハドソン村に4万平方メートルの敷地を購入した。その夢は息子のヘンリー・ドレーパーによって実現するが、ジョンは息子に多大な助力を惜しまなかった。写真化学の研究と改良も行い、1842年には写真化学の基本法則(Grotthuss-Draper law)を見つけている。
2024年02月21日更新
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