炭素質コンドライト
よみ方
たんそしつこんどらいと
英 語
carbonaceous chondrite
説 明
石質隕石のうち、有機物などさまざまな化合物の形で炭素原子を含むコンドライトを指す。化学組成や酸素同位体組成に基づき、CI, CM, CO, CV, CR, CK, CHに分類される。コンドリュールのほかに、太陽系初期の高温凝縮物である、高アルミニウムカルシウム含有物(CAI: calcium-aluminium-rich inclusion)が含まれている。CAIの年代はコンドリュールよりも古くアエンデ隕石中では45.67億年を示すものが発見されている。炭素質コンドライトの中には、CI、CMなど水質変成を経験しているものがある。これらは集積時に氷が含まれていて、母天体中で変成作用を受けたと考えられる。
炭素質コンドライトの反射スペクトルに対応しているのは、C型のスペクトル型をもつ小惑星で、小惑星帯の外側に主に分布している。クローニン(J. Cronin)らは1997年、CMコンドライトのマーチソン隕石中のアミノ酸の分析から、イソバリンなど一部のアミノ酸で、左手型(L型)のアミノ酸が右手型(D型)よりも過剰であることを発見した。地球の生物のアミノ酸はすべて左手型であるため、地球生命のアミノ酸の地球外起源説の大きな根拠になっている。
2018年05月30日更新
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