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ビームパターン

 

よみ方

びーむぱたーん

英 語

beam pattern

説 明

アンテナの光軸に対する受信感度 $P$ の角度依存性を表す。アンテナパターンともいう。通常は最大値で割り算した規格化パターン $P_n(\theta,\ \phi)$ で表す。ここで $\theta$$\phi$ は互いに直交する2方向を示し、通常は光軸を原点としたアンテナの仰角方向と方位角方向の角度である。ビームパターンを完全に表すには2次元で感度分布を表す図が必要で、観測的には点状電波源を2次元マッピングすることで測定できる。ただし、電波望遠鏡として設計されたアンテナでは、概ね軸対称ガウス分布(正規分布)となる主ビームとその周囲に現れるサイドローブ、および、かなり広い全体にほぼ一様に広がるエラービームからなる。この場合、かなりの程度は、主ビーム半値幅(HPBW)、アンテナ開口能率主ビーム能率、サイドローブの高さなどの数値で表現できる。同じ光学系で電波を放射する場合には、その放射電波強度の角度依存性(放射パターン)と同一になるため、受信の場合でも放射を想定した表現が使われることが多い。例えば、ビームパターンはアンテナ主鏡上での電場の強度(工学系では電界強度という)分布で決まるが、これを照射パターンという。主鏡面の各部からの反射を一様な感度で検出(主鏡を一様に照射)すれば光軸方向の感度は最大となるが、サイドローブが大きくなるため、通常は主鏡周辺部からの反射に対する感度を意図的に低下させたパターンを持つ給電系と組み合わせる。

2023年04月19日更新

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    最大値で規格化されたアンテナの電力パターンPn(θ, Φ)。HPBWは半値全幅(FWHM)のことである。
    坪井昌人「アンテナの特性」、シリーズ現代の天文学第16巻、中井・坪井・福井編『宇宙の観測II』4.2節 図4.2(日本評論社)