天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

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r過程 r-process

速い(rapid)中性子捕獲とそれに続くベータ崩壊により、核図表で中性子過剰領域にある鉄属より重い元素を形成する過程。rプロセスと呼ばれることも多い。一方、中性子捕獲のほうがベータ崩壊にくらべて遅く(slow)進行するも[…]

アフターグロー afterglow

残光のこと。天文学ではガンマ線バーストの後に、X線、可視光でしばらく輝く現象をいう。X線アフターグローはガンマ線増光にくらべ継続時間が数日と長いので、位置決定が可能になり、その結果ガンマ線バーストが天の川銀河(銀河系)外[…]

𝛂粘性モデル alpha viscosity model

降着円盤の現象論において、角運動量輸送率をガス圧に比例すると仮定した理論モデルのこと。星の周りに存在する回転ガス円盤中のガスは角運動量を失うことにより少しずつ中心星に落下し、それに伴って失った重力エネルギーは降着円盤や中[…]

アルファ粘性モデル alpha viscosity model

降着円盤の現象論において、角運動量輸送率をガス圧に比例すると仮定した理論モデルのこと。 星の周りに存在する回転ガス円盤中のガスは角運動量を失うことにより少しずつ中心星に落下し、それに伴って失った重力エネルギーは降着円盤や[…]

eROSITA望遠鏡 eROSITA telescope

ドイツのマックス・プランク地球外物理学研究所 (MPE) が開発したX線宇宙望遠鏡。2019年にロシアのバイコヌール基地から打ち上げられたロシアとドイツの共同ミッション「Spectrum-Roentgen-Gamma ([…]

1次宇宙線 primary cosmic ray

宇宙線を参照。

インフレーション理論 inflationary cosmology

宇宙誕生後のごく初期に指数関数的な膨張期(この期間の膨張をインフレーション膨張という)を考えることによって、古典ビッグバン宇宙モデルの問題点である、地平線問題、平坦性問題、モノポール(磁気単極子)問題などを解決すると同時[…]

宇宙X線背景放射 cosmic X-ray background radiation

全天にわたってほぼ一様に輝いているX線。ジャッコーニ(R. Giacconi)らの1962年のロケット実験で発見された。30 keV付近にエネルギー分布のピークを持つ。その起源は長年の謎であったが、最近のチャンドラ衛星の[…]

宇宙検閲官仮説 cosmic censorship hypothesis

重力崩壊の最終段階では物質のエネルギー密度や時空の曲率が無限に大きくなり一般相対性理論で扱う時空の概念が破綻する。このような領域を特異点、あるいは特異領域というが、現在のところ特異点を支配する物理法則は知られておらず、し[…]

宇宙元素組成 cosmic abundance

宇宙組成比を参照。

宇宙原理 cosmological principle

宇宙論において、「宇宙には中心も端もなく、宇宙空間の各点は本質的に同等である」という原理で、宇宙が大域的に一様かつ等方であることを意味するものである。細かなスケールで見ればこれが正しくないことは明白であるが、数10メガパ[…]

宇宙項 cosmological term

宇宙定数を参照。

宇宙黒体放射 cosmic black-body radiation

宇宙マイクロ波背景放射を参照。

宇宙塵 cosmic dust

ダストを参照。

宇宙線 cosmic ray

宇宙空間に存在する高エネルギーの放射線や、それらが宇宙空間を伝搬する過程や地球大気に入射した際に作る放射線のこと。前者は1次宇宙線、後者は2次宇宙線と呼ばれる。1912年にオーストリアの物理学者ヘス(V.F. Hess)[…]

宇宙線加速 cosmic ray acceleration

宇宙空間で知られる最高温度のプラズマ内にある最高粒子エネルギーを何桁も凌駕するエネルギーを持つ、高エネルギー宇宙線粒子を加速すること。 天の川銀河(銀河系)内の空間に満たされている宇宙線粒子の総エネルギー量の考察から、銀[…]

宇宙速度 cosmic velocity

人工天体をある条件のもとで宇宙に飛行させるときに必要になる速度のこと。第一宇宙速度、第二宇宙速度、第三宇宙速度がある。 まず、第一宇宙速度は地球表面すれすれを人工衛星として飛行するために必要な速度で、約7.9 km s-[…]

宇宙組成比 cosmic abundance

現在の宇宙に存在する元素の原子数の比は場所により異なるが、平均的な値を宇宙組成比と呼ぶ。最もよくわかっているのは太陽系の組成比で、太陽 光球面のスペクトル分析や地球に落下した隕石の化学分析など直接的なデータから得られる。[…]

宇宙定数 cosmological constant

一般相対性理論を創り出したアインシュタイン(A. Einstein)によって、静止宇宙モデルを構成するために考えられた時空の座標系に依存しない定数。ギリシャ文字 Λ(ラムダ)がよく用いられる。アインシュタインが最初に提案[…]

宇宙の距離はしご cosmological distance ladder

伝統的な天体の距離測定法につけられた名称。天体までの距離に応じて異なる手法を次々につないで遠方の距離を測る様子が、あたかも「はしご」をつないで高いところまで届く様子に似ていることからつけられた呼び名(図1)。最終目標は宇[…]