天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

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宇宙の大規模構造 large-scale structure of the universe

宇宙空間における銀河の分布には特徴的な疎密が見られる。大部分の銀河は、銀河団及び銀河団をつなぐフィラメント状構造に属しており、このフィラメントに囲まれるようにしてボイドと呼ばれる低密度の領域が存在する。銀河団とそれらをつ[…]

X線マイクロカロリメータ X-ray microcalorimeter

X線の検出器の一種で、高いエネルギー分解能が得られる。X線光子が半導体素子で吸収されると、吸収された光子のエネルギーに応じて素子の温度がわずかに上昇するが、その温度上昇を正確に測定することで、入射したX線光子1個1個のエ[…]

LSR Local Standard of Rest (LSR)

局所静止基準を参照。

LTE Local Thermodynamical Equilibrium (LTE)

局所熱力学平衡を参照。

局所宇宙 Local Universe

宇宙のスケールから見て、太陽系からそれほど遠くない宇宙空間を(場合によってはその中にある天体まで含めて)指す名称。近傍宇宙とも呼ばれる。天の川銀河(銀河系)およびその中の諸天体が含まれることはもちろんだが、銀河系外の銀河[…]

局所慣性系 local inertial reference frame

アインシュタイン(A. Einstein)の一般相対性理論の基礎となっている等価原理によれば、重力が作用している座標系から自由落下している加速座標系に移ることで重力の影響を打ち消すことができる。ただし、重力は空間や時間に[…]

局所銀河群 Local Group

天の川銀河(銀河系)の属する銀河群。局部銀河群と呼ばれることもある。銀河系とアンドロメダ銀河を中心に、半径約1メガパーセク(1 Mpc=326万光年)以内にある少なくとも50-60個以上の銀河で構成されている。メンバー銀[…]

局所高温バブル Local Hot Bubble

太陽系を取り巻いて存在している半径100パーセク(100 pc=326光年)程度の大きさの高温低密度領域のこと。単に局所バブル(Local Bubble: LB)とも呼ばれる。軟X線の背景放射の観測からこの高温ガスの存在[…]

局所星間雲 local interstellar cloud

われわれの天の川銀河(銀河系)の中で、太陽系の現在の位置にある大きさ約6パーセク(6 pc=20光年)の星間雲。太陽系はこの星間雲の中を通過中であると考えられている。星間雲に対する太陽系の相対運動の向きはほぼ銀河中心を向[…]

局所静止基準 Local Standard of Rest

太陽系の位置で天の川銀河中心周りを等速円運動する仮想的な点。英語の頭文字をとってLSRと呼ぶことも多い。国際天文学連合による推奨値を用いれば、LSRは、銀河中心から距離8.5キロパーセク(8.5 kpc=28000光年)[…]

局所超銀河団 Local Supercluster

天の川銀河(銀河系)の属する超銀河団。1950年代にドゥ・ボークルールによってその存在が指摘されたが、実際に存在するかどうかについては議論が続いた。明るい銀河の赤方偏移サーベイが進んでその存在が実証された。 半径20メ[…]

局所的日震学 local helioseismology

日震学の一分野。日震学は太陽の固有振動数を精密測定し、これを基にした内部構造診断を行う手法を中心に発展した。これに対して局所的日震学では、たとえば波動場の自己相関関数(または異なる観測点における振動の相互相関関数)を使っ[…]

局所熱力学平衡 local thermodynamic equilibrium

空間的には温度が変化していて熱平衡にはないが、局所的な領域では熱平衡にある状態。具体的には異なる電子状態や電離状態にある分子の数 $n(E)$ がその場所の温度$T$ で決まるサハ-ボルツマン分布 に従っている[…]

局部発振器 local oscillator(LO)

ヘテロダイン受信機の参照信号として、単一の周波数の電波を発生する信号源のこと。英語での頭文字をとってLOと略されることも多い。電波通信からの発想で、単一周波数の電波を無変調連続波(continuous wave)と呼び、[…]

グリズム grism

grating prismからの造語。プリズムの表面に回折格子を施したもの。目的波長の光が回折格子により曲げられる分をプリズムにより戻して直進させる光学素子。波長分散は回折格子とプリズムの分散の和となる。天体観測装置内の[…]

グレートアトラクター Great Attractor

天の川銀河(銀河系)の中心に近い方向(銀経307度、銀緯+9度)で後退速度4350±50 kms-1(ハッブル定数を75 kms-1Mpc-1とすると距離約60 Mpc=2億光年)の位置にあり、局所超銀河団の銀河を引き寄[…]

口径比 focal ratio

光学素子単体もしくは複数の光学素子からなる光学系で、焦点距離(f)の有効口径(D)に対する比(F=f/D)。F比あるいは焦点比ともいう。焦点位置からみた光束の角度広がりに対応する。数値が小さいほど光束の角度広がりが大きく[…]

焦点 focal point

ここでは幾何光学における焦点の説明をする。幾何光学においては、光学系の光軸に平行に入射してきた光が光軸と交わる点を焦点と呼ぶ。焦点を通る光軸に垂直な平面を焦点面と呼ぶ。カメラレンズなど結像透過光学系では、光をどちらから入[…]

焦点距離 focal length

光学系の主点と焦点(focal point)の間の距離のこと。光軸に並行な入射光線が光学系によって焦点を結ぶとき、焦点に到達した光線を入射光側に延長し、それが入射光線と交わる点を通って光軸に垂直な面を主平面という。主平面[…]

焦点比 focal ratio

口径比を参照。