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ライマンブレイク銀河

 

よみ方

らいまんぶれいくぎんが

英 語

Lyman break galaxy

説 明

91.2-121.6 nm より短波長側に見られる銀河の連続スペクトルの鋭い落ち込み(ライマンブレイク)の顕著な特徴をとらえて探査し発見される、遠方にある星生成銀河の一種。ライマンブレイクは、星の大気スペクトル自身に見られる水素のライマン端(91.2 nm)のスペクトルの落ち込みと、ライマン𝛂線(121.6 nm)より短波長側の光が、手前にある中性水素によって吸収されることによるスペクトルの落ち込みとによってできる。隣接する2つの広帯域フィルターで探査した場合、この顕著なブレイクが赤方偏移してちょうど両フィルターの谷間に落ちるとき、短波長フィルターと長波長フィルターでの銀河の明るさの比が大きくなることを利用して同定することができる。ライマン𝛂天体ライマン系列も参照。

2022年02月04日更新

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    *ライマンブレイク銀河(左)とライマンα輝線銀河(右)の検出法。両図とも、対象銀河のスペクトルが銀河間ガスによる吸収を受けていない場合(細い実線)と、受けた後で観測される場合(太い実線)が描かれている。対象銀河のライマンα輝線より短波長(左側)の光が吸収されて弱くなっている。破線はフィルターの透過率。
    太田耕司「銀河進化論」、シリーズ現代の天文学 第4巻、谷口・岡村・祖父江編『銀河I』第2版 5.3節、図5.7(日本評論社)