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成層圏赤外線天文台

 

よみ方

せいそうけんせきがいせんてんもんだい

英 語

Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy(SOFIA)

説 明

口径2.7 m(有効口径2.5 m)の反射望遠鏡をジャンボジェット改造機B747SPの後部に搭載した天文台。 アメリカ航空宇宙局(NASA)とドイツ航空宇宙センター(DLR)により、カイパー飛行機搭載天文台の後継機として開発された。 2010年5月26日にファーストライトを迎え、2014年に本格的な科学運用を開始。その後8年間の運用の末、2022年9月29日に運用を終了した。高度12-14 kmからの観測を実現することで大気中の水蒸気の吸収を大幅に抑え、通常地上では観測ができない遠赤外線を含む0.3 μm-1.6 mmの広い波長範囲の観測を様々な観測装置でおこない、月の日照領域における水分子の発見や、宇宙で最初に生じたとされる分子イオン"水素化ヘリウムイオン"の初検出、多様な天体の磁場構造の解明など多くの成果を挙げた。
ホームページ:https://science.nasa.gov/mission/sofia/

2025年06月11日更新

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    ボーイング747改造機と搭載されたSOFIA望遠鏡。
    https://irsa.ipac.caltech.edu/data/SOFIA/docs/sites/default/files/Public/mission.pdf
    SOFIAによる遠赤外線偏光観測で明らかとなった近傍銀河の磁場構造(筋状に描画された構造)。背景は可視光の多波長画像。
    https://irsa.ipac.caltech.edu/data/SOFIA/docs/multimedia/image-gallery/gallery/scientific-observations/index.html
    SOFIAによる銀河中心領域の高解像度赤外線画像(青色と緑色:SOFIAによる波長25μmと37μmの画像;赤色:ハーシェル宇宙天文台による波長70μmの画像;白色:スピッツァー宇宙望遠鏡による波長8μmの画像)。銀河系中心をほぼ中心とする画像の視野は、銀経(横)方向約0.67度(−0.30 - +0.37 deg)、銀緯(縦)方向約0.37度(−0.23 - +0.14 deg)である。銀河系中心までの距離を8 kpcとすると約300光年×160光年となる。
    https://irsa.ipac.caltech.edu/data/SOFIA/docs/multimedia/image-galleries/sofiaforcast-galactic-center-legacy-program/index.html
    原論文 Hankins, M.J. et al. 2020, ApJ, 894,55(14pp)