種族(星の)
よみ方
しゅぞく(ほしの)
英 語
(stellar)population
説 明
銀河を構成する星を分類する方法の一つ。アメリカの天文学者バーデ(W. Baade)が1944年に提唱した。金属を多く含むものが種族Ⅰ(PopⅠ)、少ないものが種族Ⅱ(Pop Ⅱ)である。宇宙で最初に生まれた初代星は金属をまったく含まないと考えられ種族Ⅲ(Pop Ⅲ)に分類されるが、実際には種族Ⅲの星はまだ見つかっていない。種族ⅠとⅡの星は、金属量だけでなく、銀河の中での分布の様子も異なる。種族Ⅰは薄い円盤を構成するのに対して、種族Ⅱの星は膨らんだバルジやハローとその中にある球状星団を構成する。種族ⅠとⅡは、銀河の形成過程において、誕生した時期が異なる星である。銀河形成の初期、まだ銀河円盤ができていなかった時期に種族Ⅱの星ができ、その後で、円盤状になったガスの中で種族Ⅰの星ができた。このことを反映して、2つの種族のHR図は系統的に異なっている。バーデの提唱以後、「極端な種族Ⅰ」、「渦巻腕種族」、「円盤種族」など、種族の細分化が試みられた時期があったが、最近では、観測が進んだこともあり、色指数などを用いた定量的な分類が種族による細分類よりも広く使われている。
2018年03月28日更新
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