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南中

小

よみ方

なんちゅう

英 語

meridian transit

説 明

天体が、天頂(地平座標系を参照)より南側で子午線を通過すること。太陽が南中する時刻がその地点の正午である。
南中時の高度を南中高度という。南中高度は季節によって変化する。北半球の北緯φ°の地点の南中高度は、春分秋分では(90-φ)°、夏至では(90-φ+23.4)°、冬至では(90-φ-23.4)°である。東京付近(φ=35)での南中高度は、冬至で約32°、春分で約55°、夏至で約78°、秋分で約55°と変化する。この、季節による南中高度の変化が季節の変化の最も大きな原因である(二至二分を参照)。
天体が子午線を通過することは、天頂より北側か南側かを問わず一般に「子午線通過(meridian transit)」と呼ばれる。周極星の場合は、上側と下側でそれぞれ「上方子午線通過」および「下方子午線通過」と呼ばれる。天頂より南側での子午線通過に「南中」という特別な語を用いる国は日本以外ではあまりないようである。

2019年12月12日更新

関連画像

* 太陽と新月の南中の説明図。季節により南中高度は変化する。
(国立天文台天文情報センター)
https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/B7EEA4CEBDD0C6FEA4EAA4C8C6EEC3E62FC6EEC3E6B9E2C5D9.html
* 南中高度の季節変化の解説図。北半球の中緯度(東京付近)では、太陽の南中高度は冬至の頃に最も低く、夏至の頃に最も高くなる。
地平座標系
* 地平座標系と子午線
片山真人「天体位置の表現」、シリーズ現代の天文学第13巻、福島登志夫編『天体の位置と運動』第2版 2章 図2.7 (日本評論社)