天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

励起

高

よみ方

れいき

英 語

excitation

説 明

原子、分子、イオンの量子力学的な微視的状態のエネルギーが上がること。量子力学によると粒子の微視的状態は離散的な多数のレベルに分かれる。その各レベルは対応するエネルギーで区別されるため、エネルギー準位と呼ばれる。そのエネルギー準位が低い状態から高い状態に遷移することを励起と呼ぶ。一方、高い状態から低い状態への遷移は逆励起(または脱励起)と呼ばれる。
励起を起こす主なメカニズムとしては、粒子同士の衝突による場合と電磁波光子)の吸収による場合があり、前者を衝突励起、後者を光励起(あるいは、放射励起、輻射励起)と呼ぶ。自由電子がイオンに再結合する際に、基底状態に落ちずに励起した状態になる場合があるので、これも励起状態を作り出すメカニズムになる。
逆励起を起こすメカニズムとしては、粒子同士の衝突による場合(衝突逆励起)と光子を放出する場合がある。ガスの密度が大きくなり、衝突の頻度が十分に高くなると、衝突逆励起の確率に比べて光放出による逆励起の確率が無視できるようになる。この場合の各粒子の励起状態の分布は衝突による励起と逆励起だけで決まるようになり、いわゆるボルツマン分布になる。このような状態は熱平衡状態にあるといわれる。

2018年10月04日更新

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