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コリオリ力

高

よみ方

こりおりりょく

英 語

Coriolis force

説 明

回転する座標系で運動する物体が、進行方向に垂直な方向に受ける見かけの力(慣性力)。19世紀のフランスの科学者コリオリ(G.-G. Coriolis)が導いたのでこの名がある。転向力ともいう。絶対系(慣性系)から見て物体が等速直線運動しているとき、それを回転系から見ると軌跡は曲がって見える。これを、回転系では運動している物体にみかけの力が働いて、進行方向に対して曲げられたと解釈する。これがコリオリ力である。コリオリ力は回転系の回転角速度と物体の速度に比例する。
地球は自転しているので、地球上での物体の運動はすべてコリオリ力の影響を受ける。特に、大気中の空気の流れである風や海水の流れである海流など大規模な運動ではその影響が大きい。地球の自転は西から東に向いているので、コリオリ力は北半球では進行方向に右向き、南半球では左向きに働く。赤道上ではコリオリの力の影響は現れない。台風が北半球では反時計回り、南半球では時計回りの渦を巻くのはコリオリ力によるものである。地球上でのコリオリ力は緯度が高いほど大きい。

2018年09月16日更新

関連画像

*コリオリ力の概念図
松田佳久「気象現象とその仕組み」、シリーズ現代の天文学 第1巻、岡村・池内・海部・永原編『人類の住む宇宙』第2版 6.2節 図6.16(日本評論社)