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星風

 

よみ方

せいふう

英 語

stellar wind

説 明

恒星の表面から流れ出す物質(プラズマ)の流れ。恒星風と呼ばれることもある。太陽の場合は太陽風と呼ばれる。

ウォルフ-ライエ星に代表される進化の進んだ高温度(表面温度3-10万度)、大質量(太陽20倍程度以上)の恒星では速度が1000 km s-1 に達することもある激しい星風による質量放出が起きており、そのスペクトルにはP Cyg プロファイルが見られる。また、星風が生み出す衝撃波による加熱で高温になったガスから出ると考えられるX線放射も観測される。一方、赤色巨星のように低温度で表面重力の弱い低温度の恒星では、10 km s-1 程度の速度の星風によって定常的に質量放出が起きている。しかし惑星状星雲の多様な姿に見られるように、低温度星の進化の末期には間欠的な大規模質量放出も起きている。

2024年06月02日更新

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    長周期変光星ミラの周囲のガス雲。ミラは漸近巨星分枝星と白色矮星の連星でガスは両方の星から吹きだしている。ALMA電波望遠鏡による観測。
    (クレジット:ESO/S. Ramstedt (Uppsala University, Sweden) & W. Vlemmings (Chalmers University of Technology, Sweden)。
    htps://www.nao.ac.jp/en/contents/gallery/2015/20150414-alma-700.jpg