セッキ
よみ方
せっき
英 語
Secchi, Pietro Angelo
説 明
セッキ(Pietro Angelo Secchi;1818 – 78) は、イタリアの天文学者。レッジョ・エミリアで生まれ、イエズス会の学校で教育を受けてイエズス会士となり、神学と天文学の研究を続けた。イエズス会がローマから追放処分を受けた1848年にアメリカに渡り、ジョージタウン大学の数学と物理学の教授となった。1849年に禁令が解かれローマに戻り、ローマ大学天文台長に就いた。同天文台で、日食をダゲレオタイプの写真(銀板写真)に撮影することに成功し、太陽の光球、彩層、コロナの構造を明らかにするなど、天体物理学の先駆的な研究を進めた。分光器を用いた恒星スペクトル観測のパイオニア的な存在であり、写真が有効に利用できない時代に4000個に及ぶ恒星を、その分光観測から五つの型に分類した。この恒星の分類は、やがてハーバード大学の分類法として実を結ぶことになる。また、星雲のスペクトルに水素と未知の元素の発する輝線を発見し、それがガス状星雲であることを明らかにした。
1858年に火星の地図を製作し、その模様にCanale Atlanticoと名付けた。セッキやスキアパレリが用いたイタリア語のcanali(溝、水路の意。単数形はcanale)が英語のcanals(運河)と翻訳されたことでローウェルらによる火星の運河の議論の端緒を作った。
2024年03月21日更新
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