分解能
よみ方
ぶんかいのう
英 語
resolution
説 明
装置や機器がどれくらいの測定能力を持つかを示す値。空間的にどれくらい細かな構造を識別できるかは角分解能または空間分解能、時間的にどこまで短い時間で測定できるかは時間分解能、スペクトルをどれほど細かな波長に分けて測定できるかは波長分解能、エネルギーをどれほど細かく測定できるかはエネルギー分解能、などなど対象に応じて使い分けられる。デジタル画像がどれくらい細かな画素からできているかを示す場合は分解能ではなく解像度という言葉が使われる。
以下では望遠鏡の分解能について述べる。望遠鏡の分解能は識別可能な最小の構造の大きさで定義する。天文学では角分解能という語が広く用いられ、単位は角度秒(天体望遠鏡の場合には天球上の角度)で表されることが多い。
理想的な望遠鏡(光学系)の分解能の理論的な最小値が回折限界である。地上にある望遠鏡ではシーイングにより天体の像がぼかされる。可視光の観測では望遠鏡の口径が30 cm程度(回折限界約0.4秒角)より大きいと、回折限界よりもシーイングの方が大きくなるので、分解能は回折限界ではなくシーイングで決まる。しかし、回折限界は波長に比例して大きくなるので、可視光より波長の長い赤外線ではシーイングより回折限界が大きくなることが多く、高い分解能を得ようとすると大口径の望遠鏡が必要になる。さらに波長の長い電波では、口径が数十メートルあっても単一の望遠鏡では分解能が低いため、高い分解能を得るために電波干渉計が用いられる。
2022年01月12日更新
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