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かんむり座R(R CrB)型変光星

 

よみ方

かんむりざあーるがたへんこうせい

英 語

R CrB-type variable

説 明

R CrB 型星は小質量(~1太陽質量)の超巨星(表面温度;6000 – 8000 K; 光度おおよそ1万太陽光度 )で、その表面には水素がほとんど存在せず、おもにヘリウムと炭素を主な組成とする外層をもつ(水素欠乏星)。このタイプの変光星の最も顕著な特徴は、最大8−9等級にも及ぶ減光が不規則に起こることである。減光は表面からのダストの放出によって急激に起こり多くの場合数年のタイムスケールでゆっくりと元の光度に戻る。最大減光はその都度異なり予測不能である。また、大きな減光とは別に脈動による周期30〜60日の小さい振幅の変光を示す。R CrB型星は我々の銀河に35個程度(代表例:R CrB, RY Sgr, S Aps, UW Cen)、LMCに17個程度しか見つかっておらず、稀な天体である。R CrB 型星の起源は、炭素酸素白色矮星(~0.6Msol;Msolは太陽質量)とヘリウム白色矮星(~0.4Msol)が合体したもの、または単独星で、桜井天体と同様最後のヘリウム殻フラッシュ(熱パルス)を起こしている天体と考える二つの説がある。

2024年09月11日更新

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    AAVSO(アメリカ変光星観測者協会)https://www.aavso.org/ によるR CrB星の最近約18年間の光度変化