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ケプラー方程式

高

よみ方

けぷらーほうていしき

英 語

Kepler's equation

説 明

時間の関数である平均近点角と離心近点角の関係を表す式。平均近点角をM(t) 、離心近点角をu(t) とすると、楕円軌道の場合のケプラー方程式は

u(t)esinu(t)=M(t)

となる。ここでe離心率である。ケプラー方程式を解くとは、M が与えられたときにu を求めることである。ここでM=n(tt0)である。n は平均運動と呼ばれる天体の平均の角速度で軌道長半径と天体の質量で決まる量であり、t0近日点通過の時刻である。つまり、時刻 t を与えたとき、u を求めることがケプラー方程式を解くことになる。u が求められると、天体の位置などが計算できる。放物線軌道や双曲線軌道のときにも似たような関係式がある。

ケプラー方程式は一般に解析的に解くことはできない。このため、離心率で展開して逐次的に計算する、あるいは数値計算するのが普通である。観測から天体の軌道を計算する場合もケプラー方程式を解く必要があり、解析的には解けないものと考えられてきたが、近年、浅田秀樹が解析的に軌道を求める方法を発見し、注目を浴びている。

2023年04月18日更新

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