鉄隕石
よみ方
てついんせき
英 語
iron meteorite
説 明
鉄ニッケル合金を主成分とする隕石。隕鉄とも呼ぶ。天体での溶融を経験した隕石で、溶融のため金属鉄成分が沈降して集積したものと考えられる。ケイ酸塩鉱物結晶が多く含まれるものは石鉄隕石と呼ぶ。鉄隕石は、ニッケルやゲルマニウム、ガリウム、イリジウムなどの含有量によって、10あまりのグループに分類される。それぞれ異なる小天体に起源をもつと考えられている。ニッケルの含有量により少ない方からヘキサヘドライト(ニッケル含有量が4.5–6.5%)、オクタヘドライト(6.5-13%)、アタキサイト(13%以上)に分類される。鉄隕石の中では最も多いオクタヘドライトの断面には、2種類の鉄ニッケル合金(カマサイトとテーナイト)によるビドマンシュテッテン構造(ウィドマンシュテッテン構造とも書かれる)が見られる。ニッケル量が少なくカマサイトのみで構成されるヘキサヘドライトには、ビドマンシュテッテン構造は見られない。
約5万年前に鉄質の小天体が衝突して形成されたと考えられるアリゾナのバリンジャークレーターの近くのディアブロ峡谷で、1891年に隕石の破片が多数見つかり、ディアブロ隕石と呼ばれている。鉄隕石のオクタヘドライトに分類される。
2019年10月07日更新
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