ハギンス
よみ方
はぎんす
英 語
Huggins, William
説 明
ハギンス(William Huggins;1824-1910)はイギリスの天文学者。王立天文学会の会員で、学会から観測機器も貸与されていたが、自身は繊維業の経営者であり、ロンドン郊外の私設天文台で観測を行なっていたので、実質的にはアマチュア天文学者といえる。ドイツのキルヒホッフ(G. Kirchhoff)とブンゼン(R. Bunsen)のスペクトル分析法に刺激されて、望遠鏡に自作の分光器をつけて眼視、のちに写真で天体のスペクトルを観測する方法を開発した。ガスは輝線を示す一方、星は吸収線を示すことから、たとえばアンドロメダ銀河は星でできた天体であり、オリオン大星雲はガスでできた天体であることを判別するなど、天体のスペクトルに見られる輝線や吸収線の意味を明らかにして、恒星や星雲が地球上にある元素と同じ元素からできていることを示した。また、スペクトル線のずれが天体の運動によるドップラー効果によるもので、その偏移が視線速度を表わしていることを発見した。天文学に物理や化学の実験を持ち込み、天体物理学というあらたな分野の開拓者の一人となった。
夫人のマーガレットも協力しており、女性天文学者である。1867年と1885年に王立天文学会ゴールドメダル、1898年にコプリ・メダル、1904年にブルース・メダルなどを受賞している。
参考:https://phys-astro.sonoma.edu/brucemedalists/william-huggins
2024年02月21日更新
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