HDS
よみ方
えいちでぃーえす
英 語
High Dispersion Spectrograph
説 明
すばる望遠鏡に搭載された、エシェル分光器のこと。High Dispersion Spectrographの頭文字をとって命名された。製作メーカーはニコン。装置全体の大きさは6 m x 6 m x 3 m、重量は約6 tであり、すばる望遠鏡搭載観測装置の中で最大である。最大の波長分解能はR=16000、入射光子の観測効率はシステム全体(望遠鏡、分光器光学系、検出器)を通して最大13%(500-600 nmの波長帯)である。
HDSは大型で高精度の高分散分光を行うため、望遠鏡が動いても装置にかかる重力方向の変わらないナスミス焦点に設置されている。気温変化による分光器構造物の熱伸縮を避けるために、装置全体が温度制御された小部屋の中に入れられている。高分散分光能力を生かして、古い星や近傍銀河の星、あるいはクェーサー などに見られる吸収線を詳しく観測して、宇宙の元素合成、銀河や銀河間物質の進化の研究に成果を挙げている。
2023年04月18日更新
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